2006年以前の住宅とアスベスト:見極め方と対応策

空き家相談

アスベスト、この言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
かつて広く建材として用いられていたこの繊維状の鉱物は、耐熱性や断熱性に優れている一方で、健康への深刻なリスクを秘めています。特に、アスベストが含まれる住宅の撤去やリフォームには注意が必要です。
この記事では、アスベストの基本情報から、住宅におけるアスベストの見極め方、撤去の際の費用について最新の情報をもとに詳しく解説します。アスベストについての正しい知識を身につけ、安全な住環境を確保するための一助となれば幸いです。

●アスベストとは

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アスベストは、天然に産出する繊維状の鉱物で、その耐熱性、耐化学性、断熱性、吸音性などの特性から、20世紀を通じて建築材料、断熱材、耐火材料など幅広い用途に利用されてきました。アスベストは複数の異なる鉱物から構成されており、一般には白石綿(クリソタイル)、青石綿(クロシドライト)、茶石綿(アモサイト)などがよく知られています。
アスベストの問題点は、その繊維が非常に細かく、空気中に漂いやすいことにあります。これらの繊維が肺に吸い込まれると、肺や胸膜にダメージを与え、長期にわたる健康被害を引き起こす可能性があります。特に、アスベスト曝露は石綿肺(アスベストによる肺線維症)、肺がん、悪性中皮腫などのリスクを高めることが知られています。アスベストによる健康被害の特徴として、曝露から発症までの潜伏期間が平均40年と非常に長いことが挙げられます。
アスベストの使用は、その健康リスクが明らかになったため、多くの国々で規制されるようになりました。日本では、2006年に建築材料としての新たなアスベストの使用が禁止されました。しかし、過去に建設された建物にはまだアスベストが含まれている可能性があり、リフォームや解体作業時には特に注意が必要です。
アスベストを安全に取り扱うには、専門的な知識と技術が求められます。アスベストが含まれる建材の撤去や処理には厳格なガイドラインがあり、適切な方法で行わなければ、追加の健康リスクを生じさせる可能性があります。

●アスベストの健康被害について

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アスベストの健康被害に関しては、この物質の微細な繊維が空気中に漂い、吸い込まれることにより引き起こされます。アスベスト繊維が肺に入ると、肺や胸の膜にダメージを与えることがあります。これによって、いくつかの深刻な疾患が発生するリスクが高まります。主な健康被害には、石綿肺(肺の繊維化)、肺がん、悪性中皮腫(胸膜や腹膜のがん)などがあります。これらの病気は、アスベスト曝露から数十年後に発症することもあるため、長期間にわたる健康監視が必要です。安全な住環境を確保するためには、アスベストの存在を認識し、適切な対策を講じることが重要です。

●アスベストがある住宅を見極める方法

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1. 建築年代の確認
まず、アスベストが使われている可能性のある住宅を見極める最初のステップは、その建物の建築年代を確認することです。2006年9月以降に建築された建物では、アスベストを含有する建材の使用が法律で禁止されているため、アスベストの心配はほとんどありません。しかし、それ以前に建てられた建物では、アスベストを含む可能性があります。特に、高度成長期(昭和30年代から40年代)に建てられた建物は、アスベスト使用率が高いとされています。

2. 建材の種類の確認
アスベストが含まれる可能性がある建材を知ることも重要です。アスベストは外壁材、屋根材、断熱材、床材などに使用されていることがあります。例えば、外壁には窯業系サイディングやモルタル、屋根には化粧スレート瓦やルーフィングなどにアスベストが含まれていることがあります。

3. 専門機関による調査
外観や建築年代だけではアスベストの有無を確実に判断することは難しいため、専門機関による調査が推奨されます。専門業者は、建築物のアスベスト含有の可能性がある部分の検体を採取し、分析によってアスベストの有無を確認します。この分析には専門的な技術が必要です。

4. 資料の確認
可能であれば、建物の設計図書(仕様書や矩計図など)を確認し、使用された建材に関する情報を得ることも有効です。これにより、建材にアスベストが含まれているかどうかのヒントを得られる場合があります。

5. 地元の業者に相談
アスベストの疑いがある場合、地元の建築やリフォームに関する業者に相談するのも一つの方法です。専門的な知識を持つ業者は、アスベストの有無を判断するための適切なアドバイスを提供できる可能性があります。
これらのステップを踏むことで、アスベストがある住宅を見極めることができます。ただし、最終的な判断は専門家の意見に基づくことが重要です。

建材名、商品名、製造時メーカー名、型番・品番を入力すれば簡単に検索できます。

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●撤去費用

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アスベストの撤去費用は、撤去するアスベストの種類や処理面積によって異なります。2023年の情報によると、アスベストの種類に応じた撤去費用の相場は以下の通りです:

• レベル1(天井・壁等の石綿含有吹き付け材):約1.5万円~8.5万円/㎡
• レベル2(内壁・配管・柱などの保温材・耐火被覆材・断熱材):約1.0万円~6.0万円/㎡
• レベル3(その他建材):約0.3万円~1.0万円/㎡

また、解体費用の相場は以下のようになっています:
• 300㎡以下:約2.0万円/㎡~8.5万円/㎡
• 300㎡~1000㎡:約1.5万円/㎡~4.5万円/㎡
• 1000㎡以下:約1.0万円/㎡~3.0万円/㎡

撤去費用には本体工事費、付帯工事費、仮設工事費、廃棄処分費、整地費、重機回送費、その他の費用が含まれます。これらの費用は解体工事の種類や規模、地域などによって異なるため、正確な見積もりを得るには、専門業者に相談することが重要です。

まとめ

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アスベストは、その耐熱性や断熱性から広く利用されていた鉱物ですが、健康へのリスクも大きいことが知られています。2006年以降の建物ではアスベスト使用が禁止されているものの、それ以前の建物では注意が必要です。アスベストの有無を判断するためには建築年代の確認や専門機関への調査が有効です。撤去費用は建材の種類や面積により異なり、専門業者による正確な見積もりが重要です。この記事では、アスベストに関する基本情報と安全対策について詳しく説明しました。

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