親の家の鍵を最後に開けたのはいつですか?
親の家の鍵を、最後に開けたのはいつですか?
お正月でしょうか。それともお盆でしょうか。
仕事や子育てが忙しくなると、実家へ帰る機会は少しずつ減っていきます。
親が元気に暮らしているうちは、特に心配することもなく、
「また今度行けばいいか」と思うものです。
しかし、不動産の仕事をしていると、「もっと早く実家の様子を見ておけばよかった」
という声を耳にすることがあります。
庭木が伸びていた。家の傷みが進んでいた。親だけでは管理が難しくなっていた。
そうした変化は、ある日突然起こるのではなく、少しずつ進んでいきます。
今回は、不動産売却や相続の話ではありません。
親の家の鍵を開けることから見えてくる、実家と家族のこれからについてお話ししたいと思います。
その鍵を開ける機会は少しずつ減っていく
実家へ帰る回数が減った理由
子どもの頃は毎日帰っていた実家なのに、大人になると不思議なくらい帰る回数が減っていきます。
就職。
結婚。
子育て。
転勤。
理由はいろいろあります。
決して実家が嫌いになったわけではありません。
ただ、自分の生活に追われているうちに、
「今度帰ろう」
が積み重なっていくのです。
静岡市内で不動産のご相談を受けていても、
「実家には半年ぶりに行きました」
「最後に泊まったのは何年前だろう」
という方は少なくありません。
それだけ自然なことなのだと思います。
ただ、帰る回数が減るということは、家を見る機会も減るということです。
気付かないうちに、実家は少しずつ変化していきます。
親が元気なうちは気づきにくいこと
親が元気でいてくれると、子どもは安心します。
電話も普通にできる。
買い物にも行ける。
車の運転もしている。
そうすると、
「まだ大丈夫だろう」
と思ってしまいます。
実際、私自身もお客様から相談を受けるまでは、
親御さんの様子だけを気にしていて、家の状態までは気にしていなかったという話をよく聞きます。
でも、家というのは人と同じで少しずつ年を取ります。
屋根。
外壁。
設備。
庭木。
毎日見ていると変化に気付きません。
だからこそ、久しぶりに帰った時に驚くことがあります。
親の元気さだけではなく、家の様子にも少し目を向けてみる。
それだけでも見えてくるものがあります。
気づけば郵便物だけが増えていた
これは空き家になった実家でよく見る光景です。
ポストからあふれそうな郵便物。
チラシ。
回覧板。
役所からのお知らせ。
最初は定期的に見に行っていたとしても、徐々に足が遠のいてしまうことがあります。
そして久しぶりに訪れると、
「こんなに溜まっていたのか」
と驚くことになります。
郵便物は単なる紙ではありません。
家が管理されているかどうかを示すサインでもあります。
空き家になった実家で郵便物が溜まり始めると、家の管理も少しずつ難しくなっていくことがあります。
不動産の仕事をしていると、
「実家の鍵を開けたら、まずポストを確認する」
という方も少なくありません。
それくらい家の状況が現れやすい場所なのです。
久しぶりに開けた実家で驚くことがある
庭木や雑草は想像以上に成長する
久しぶりに実家へ帰ると、まず目に入るのが庭だったという方も多いのではないでしょうか。
雑草が腰の高さまで伸びている。
庭木が道路にはみ出している。
植木が隣地へ越境している。
人が住んでいる時は気にならなかったことでも、管理する人が減ると一気に変わります。
特に静岡は暖かい地域です。
春から秋にかけての植物の成長は想像以上です。
「この前切ったばかりなのに」
と思うほど伸びることもあります。
そして気付いた時には近隣への迷惑になってしまうこともあります。
家の管理というと建物ばかり考えがちですが、実は庭の管理も大切な要素です。
空気の止まった家は少しずつ傷んでいく
不動産業界ではよく、
「家は人が住まなくなると傷む」
と言います。
実際、その通りだと思います。
人が住んでいる家は毎日窓が開きます。
換気もします。
掃除もします。
しかし空き家になると空気が動かなくなります。
湿気がたまる。
カビが発生する。
においがこもる。
その結果、建物は少しずつ傷んでいきます。
久しぶりに鍵を開けた瞬間、
「あれ?こんな家だったかな」
と感じることがあります。
それは家が変わったのではなく、時間が経った証拠なのかもしれません。
親は思っている以上に片付けが大変になっている
親御さんと話をしていると、
「そのうち片付けるよ」
という言葉を聞くことがあります。
でも実際は、その“そのうち”がなかなか来ません。
年齢を重ねると、重い物を運ぶことが大変になります。
脚立に乗るのも危険になります。
二階へ荷物を運ぶだけでも負担になります。
子どもから見ると、
「なんで片付けないの?」
と思うこともあります。
しかし親御さんなりの事情があります。
体力の問題。
気力の問題。
思い出の問題。
久しぶりに実家へ帰った時は、家だけではなく親御さんの負担にも目を向けてみてほしいと思います。
実家の問題は空き家になってから始まるわけではない
親が住んでいても管理が難しくなることがある
空き家の相談というと、誰も住んでいない家をイメージする方が多いと思います。
でも実際には、親御さんが住んでいる段階から始まっている問題もあります。
庭の手入れが大変になった。
二階を使わなくなった。
掃除が行き届かなくなった。
昔なら当たり前にできていたことが、少しずつ負担になっていくのです。
私たちが不動産の相談を受ける時も、
「まだ母が住んでいるんですが…」
というところから始まることがあります。
それは決して早過ぎる相談ではありません。
むしろ、その段階で家族が現状を把握できていることはとても大切だと思います。
家は住んでいるだけで管理できるわけではありません。
年齢とともに管理の形も変わっていくのです。
相続の話ができないまま時間だけが過ぎる
実家の話になると、多くのご家族が避けてしまう話題があります。
相続です。
縁起でもない。
まだ元気だから。
そのうち考えればいい。
そう思っているうちに年月が過ぎていきます。
もちろん、親御さんが元気なうちから相続の話をするのは簡単ではありません。
私も現場で多くのご家族を見てきましたが、切り出せない方の方が圧倒的に多いです。
ただ、何も決まっていないまま相続を迎えると、ご家族の負担は大きくなります。
誰が住むのか。
売るのか。
残すのか。
管理するのか。
話し合うべきことは意外と多いのです。
だからこそ、結論を出す必要はなくても、少しだけ話題にしてみることには意味があると思っています。
誰が引き継ぐのか決まっていないケース
相続した実家の相談でよくあるのが、
「誰も住む予定がない」
というケースです。
子どもは県外に住んでいる。
既に持ち家がある。
実家へ戻る予定もない。
すると実家は残るけれど、使う人がいないという状態になります。
この問題は、実際に相続が発生してから気付くことも少なくありません。
しかし、本当はもっと前から分かっていたことかもしれません。
だから私は、
実家へ帰った時に少しだけ考えてみてほしいと思っています。
この家を将来どうするのか。
誰が管理するのか。
その答えが出なくても構いません。
考えるきっかけになるだけでも十分だと思うのです。
家を見ることは親の暮らしを見ることでもある
冷蔵庫の中より家の中を見る
久しぶりに実家へ帰ると、
「ちゃんとご飯食べてる?」
と冷蔵庫を覗く方は多いと思います。
もちろん、それも大切です。
でも私は、それと同じくらい家の中も見てほしいと思っています。
以前は使っていた部屋が閉め切られていないか。
階段の上り下りが大変そうではないか。
荷物が増え過ぎていないか。
家の状態には、親御さんの暮らしが現れます。
だから家を見ることは、建物を見ることではなく、親御さんの生活を見ることでもあるのです。
使われていない部屋が増えていないか
実家へ帰った時、ぜひ見ていただきたいのが部屋の使い方です。
以前は寝室だった部屋。
子ども部屋だった部屋。
客間だった和室。
いつの間にか使われなくなっていることがあります。
そして使われなくなった部屋には荷物が集まり始めます。
これは決して悪いことではありません。
暮らし方が変わった結果だからです。
ただ、その変化に気付くことは大切です。
家は変わらないように見えて、実は暮らしに合わせて少しずつ姿を変えています。
家の変化は生活の変化でもある
外壁が傷んだ。
庭木が大きくなった。
荷物が増えた。
一見すると家の問題に見えます。
でも実際には生活の変化が現れていることもあります。
以前のように庭の手入れができなくなった。
片付けが負担になった。
二階へ上がらなくなった。
そうした変化は誰にでも訪れます。
だから私は、
実家を見た時に家の古さだけを見ないでほしいと思っています。
その家で暮らしている親御さんの今の生活も、一緒に見てほしいのです。
大切なのは売ることではなく現状を知ること
実家を残すという選択
不動産の相談というと、
「売るか残すか」
という話になりがちです。
でも本当は、そんなに急いで結論を出す必要はありません。
親御さんが住み続けるかもしれません。
将来、お子さんやお孫さんが使うかもしれません。
思い出の詰まった家だからこそ、簡単には決められないこともあります。
私は仕事柄、売却のご相談をいただくことが多いですが、
残すという選択が間違っていると思ったことはありません。
大切なのは、家族が納得していることです。
そのためにも、まずは実家の現状を知ることが大事だと思います。
将来売却するという選択
もちろん、将来的に売却するという選択もあります。
実際に相続した実家のご相談では、
「誰も住む予定がない」
というケースも少なくありません。
そうなると、管理や固定資産税の負担が続いていきます。
だからといって今すぐ売る必要はありません。
ただ、
今どのくらいの価値があるのか。
今後どのような選択肢があるのか。
それを知っておくだけでも気持ちは変わります。
不動産は分からないから不安になることが多いものです。
逆に言えば、状況が分かるだけで安心できることもあります。
家族で話し合うきっかけを作る
実家の問題は、不動産の問題である前に家族の問題です。
誰が管理するのか。
将来どうするのか。
親御さんはどう考えているのか。
本来であれば、元気なうちに少しずつ話せるのが理想です。
とはいえ、
「相続の話はしづらい」
という気持ちもよく分かります。
だから最初から重い話をする必要はありません。
久しぶりに実家へ帰った時に、
「この家どうする?」
と軽く話してみるだけでも十分です。
その一言が、将来の大きな安心につながることもあります。
よくあるご質問(FAQ)とまとめ
■親が住んでいても相談できますか?
もちろん可能です。
実際には親御さんが元気なうちからご相談いただくケースも多くあります。
将来の選択肢を知るためのご相談でも大丈夫です。
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■売却するか決めていなくても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
まずは実家の状況や価値を知りたいというご相談もたくさんあります。
無理に売却を進めることはありませんのでご安心ください。
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■相続前でも相談できますか?
可能です。
相続が発生してから慌てるよりも、事前に状況を把握しておくことで選択肢が広がることがあります。
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■遠方に住んでいても対応できますか?
もちろんです。
静岡県外にお住まいの方からのご相談も多くいただいております。
実家の状況確認や今後の方向性についてもご相談いただけます。
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■実家の価値だけ知ることはできますか?
できます。
現在の相場や将来的な活用方法なども含めてご説明いたします。
売却を前提にしなくてもお気軽にご相談ください。
■まとめ 今度帰ったら、少しだけ家の様子を見てみませんか
親の家の鍵を最後に開けたのはいつだったでしょうか。
もしかしたら、お正月かもしれません。
お盆かもしれません。
あるいは、もう何年も開けていないという方もいらっしゃるかもしれません。
不動産の仕事をしていると、
「もっと早く実家のことを考えておけばよかった」
という言葉を聞くことがあります。
もちろん、未来のことは誰にも分かりません。
だから後悔しないために何か特別なことをする必要もありません。
ただ、今度実家へ帰った時には少しだけ家の様子を見てみてください。
庭木は伸びていないか。
使わなくなった部屋はないか。
困っていることはないか。
そして親御さんが、その家でどんな暮らしをしているのか。
家を見ることは、親を見ることでもあります。
実家を見ることは、家族のこれからを考えることでもあります。
売却するかどうか。
相続をどうするか。
その答えは今すぐ出さなくても構いません。
でも、家族で話すきっかけは早い方がいい。
私はそう思っています。
もし実家のことで少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
相談するら、くらいの気持ちで大丈夫です。
一緒に今の状況を整理するところから始めましょう。